エクセルで縦書きを使うと、通常は上から下に文字が並びますが、住所や品番などを「縦に並べつつ左から右へ読みたい」という場面も多いです。ところが、標準設定のままでは思った通りの表示にならず、試行錯誤している方も少なくありません。
この記事では、エクセルの縦書きを左から右に読みやすく配置する具体的な操作手順と、レイアウトの工夫、トラブル時の確認ポイントまで専門的に解説します。スマホでの閲覧でも分かりやすいように、図の代わりにステップを細かく言語化して説明します。
目次
エクセル 縦書き 左から右 を実現する基本的な考え方
まず押さえておきたいのは、エクセルの標準的な縦書き設定では、文字は「上から下」に並び、列も「右から左」方向に進むという仕様になっているという点です。そのため、単純に縦書きに切り替えただけでは、意図した「左から右に読ませる縦書き」にはなりません。
左から右に読み進めさせるには、セルの配置や入力順を工夫する必要があり、場合によっては複数セルやテキストボックスを組み合わせて表現します。この基本的な考え方を理解しておくと、後の具体的な設定がぐっと分かりやすくなります。
また、表示だけを整えたいのか、印刷の際の読みやすさを優先したいのかによっても、選ぶ方法が変わります。データとしての扱いやすさを重視するならセル単位の縦書き設定が有利ですし、見た目を最優先するならテキストボックスや図形を使う方法が有効です。ここでは、それぞれのメリット・デメリットも比較しながら解説していきます。
エクセルの標準的な縦書き仕様を理解する
エクセルの縦書きは、セルの「配置」設定で「文字列の制御」を縦書きに切り替えることで実現します。このとき、1セルの中では文字が上から下に向かって並びます。例えば「東京都」と入力したセルを縦書きにすると、「東」が一番上、「都」が一番下に表示されます。
ここで重要なのは、複数のセルにまたがって縦書きの列を作ると、その列自体は画面上では左から右に並んでいても、印刷時の視線は右から左に移動しやすいという点です。日本語の縦書き文書では、段組を右から左へ読み進めることが多いため、エクセルの標準的な使い方もこれに近い形になります。
つまり、単一セルの縦書きは簡単でも、「複数列を左から右へ読ませる縦書き」を実現するには、使い方を少し工夫する必要があります。エクセル自体の仕様を変えることはできないため、配置やセル範囲の指定によって擬似的に実現していくイメージになります。次の見出しで、その代表的な方法を詳しく見ていきます。
なぜ「左から右の縦書き」が分かりにくいのか
多くのユーザーが戸惑う理由は、エクセルの縦書き設定に「左から右へ読む縦書き」という明示的な項目が存在しないからです。オプション画面をいくら見ても、「横書き」「縦書き」はあっても、読み方向を左右で切り替えるボタンはありません。
さらに、WordやDTPソフトでは、縦書きと横書きを柔軟に切り替えられる一方で、エクセルは表計算と一覧表作成を主目的としているため、縦書きのカスタマイズ性はそこまで高くありません。結果として、「セルを縦書きにしたのに印刷時の並びがイメージと違う」「列の順序をどうすべきか分からない」といった悩みにつながります。
このギャップを解消するには、まず自分が作りたいレイアウトを明確にイメージし、それをエクセルの機能でどう近づけるかを逆算する思考が有効です。次章以降で、代表的なパターン別に具体的な操作手順を紹介しますので、自分の用途に近いものから試してみてください。
左から右に読みやすい縦書きが必要になる主なケース
左から右へ読み進める縦書きが必要になる場面は、ビジネスでも日常でも意外と多くあります。例えば、製品ラベルのレイアウトや、書類の余白に縦書きで注釈を入れる場合、複数の縦書きブロックを左から右へ並べたいことがあります。
また、名簿や住所録で、郵便番号や住所の一部を縦方向に配置しながら、列見出しだけは左から右へ自然につなげたい、といったケースもあります。会議資料や報告書で、ページの端に縦書きの見出しを複数並べるときも、読み手の視線を左から右に誘導できると理解しやすくなります。
このような用途では、単純に縦書きにするだけではなく、「どの順番で目に入るか」「どのセルを1つのまとまりとして認識させるか」が重要になります。以下では、実務で使いやすい代表的な手法を、設定画面の項目名を示しながら解説していきます。
セルの配置設定で縦書きを左から右に見せる基本テクニック

最もシンプルな方法は、セルの縦書き設定に加えて、列の並び順やセル結合を組み合わせることです。1つ1つのセルでは通常の縦書きを使いつつ、全体としては左から右に読み進められるように構成します。セルの配置を工夫するだけで済むため、データの並びを保ったままレイアウトを整えられるのが利点です。
ここでは、標準の縦書き機能を最大限に活用しながら、左から右への視線誘導を実現する手順を、初級者にも分かるように段階的に説明します。フォントや行の高さの調整も合わせて行うことで、印刷物としても見やすい縦書きに仕上げることができます。
なお、ここで紹介する方法は、Windows版・Mac版のどちらのエクセルでも基本的な考え方は同じです。リボンの表記や配置が異なる場合でも、「ホーム」タブの「配置」グループから操作するという流れは共通していますので、落ち着いてメニューを探してみてください。
縦書きにする基本操作(ホームタブからの設定)
まずはセルを縦書きにする基本操作を確認します。該当セルまたはセル範囲を選択し、「ホーム」タブの「配置」グループにある「方向」ボタンをクリックします。表示されるメニューから「縦書き」を選ぶと、選択範囲の文字が縦方向に並びます。
このとき、既に入力済みの文字列はそのまま縦に並び替えられるため、内容を再入力する必要はありません。ただし、セル幅と行の高さのバランスが変わるため、文字が途中で折り返されたり、セルからはみ出したように見えることがあります。必要に応じて列幅を狭くし、行の高さを広げるなど調整してください。
また、配置グループ右下の小さな矢印をクリックすると、「セルの書式設定」ダイアログの「配置」タブを開くことができます。ここで「文字の方向」や「縦書き」を細かく指定できるため、リボンだけではうまく設定できない場合に活用すると便利です。
左から右に見せるための列配置のコツ
複数の縦書きセルを並べて左から右に読ませたい場合は、列の使い方が重要になります。例えば、3つの縦書き項目を左から右に並べたいとき、「A列:項目1」「B列:項目2」「C列:項目3」のように、通常通り左から右へ列を配置して問題ありません。
ポイントは、印刷時や画面表示で見たときに、読み手がどの列から読み始めるかを意識してラベル付けを行うことです。左端に最初の情報、右へ行くほど後続の情報を配置することで、自然な視線の流れを作れます。また、列と列の間隔を少し空けたい場合は、空白の列を1列挟むなどしてメリハリを付けると、読みやすさが向上します。
必要に応じて、1行目に横書きの見出しを設け、2行目以降を縦書きにする構成も有効です。見出しが左から右に並び、その直下に対応する縦書きの列が配置されることで、読み方向が直感的に理解しやすくなります。
セル結合を利用した縦書きラベルの作成
列見出しやサイドのラベルを縦書きで強調したい場合は、セル結合を使うと視認性が高まります。例えば、A1からA5までを選択し、「ホーム」タブの「配置」グループから「セルを結合して中央揃え」をクリックすると、1つの縦長セルとして扱えるようになります。この状態で縦書き設定を行うと、長い縦書きラベルを簡単に作成できます。
セル結合を行うと、並べ替えやフィルターの対象外になるなど制約もありますが、レイアウト重視の表や印刷用の帳票では大きなメリットがあります。左から右に複数の縦長ラベルを並べたいときも、A1:A5、B1:B5、C1:C5といった範囲ごとに結合して縦書き設定を行うことで、整然とした見出し列を作成できます。
なお、セル結合を頻用するシートでは、後から編集がしづらくなることもあるため、レイアウトをある程度固めてから実施するのがおすすめです。データ入力用のシートと、見た目を整えた印刷用シートを分けて運用する方法もよく使われます。
フォント・文字方向・行間を調整して読みやすさを高める

縦書きを左から右に並べることができても、フォントサイズや行間が適切でなければ、読みづらくなってしまいます。特に、スマホや小さなノートPCで閲覧する場合、縦書きの文字が詰まり過ぎていると、内容を追うのに時間がかかります。
エクセルでは、フォント種類・サイズ・セルの高さや幅を組み合わせることで、縦書きの行間を実質的にコントロールできます。さらに、「配置」設定での縦位置・横位置の指定により、セル内のどこに文字を寄せるかを細かく調整できます。ここでは、実務で使いやすい具体的な調整ポイントを紹介します。
下の表は、縦書きの見やすさを左右する主な要素をまとめたものです。調整の優先度の目安として参考にしてください。
| 要素 | 調整内容 | 効果のイメージ |
| フォントサイズ | 9〜11ポイント程度に調整 | 縦方向の詰まりを軽減し、視認性アップ |
| 行の高さ | 標準より少し高めに設定 | 行間を確保し、読みやすくする |
| 横位置・縦位置 | 中央揃えを基本としつつ調整 | 列ごとの見た目を揃える |
フォントサイズと種類の選び方
縦書きで左から右へ読み進める場合、1つの列が長くなる傾向があるため、フォントサイズはやや小さめが扱いやすいです。一般的な資料なら10〜11ポイント、情報量が多い帳票なら9ポイント程度に設定すると、読みやすさと情報密度のバランスが取りやすくなります。
フォントの種類については、ゴシック体の方が画面表示では視認性が高く、明朝体は印刷時に読みやすい傾向があります。社内や取引先のルールに合わせつつ、縦書きにしたときに文字がつぶれないか、試しに印刷プレビューで確認してから決めるのが安全です。
また、英数字や記号を多用する縦書きでは、半角・全角の混在により文字幅が不揃いになりがちです。可能であれば、英数字だけ別セルで横書きにする、またはテキストボックスを併用するなどして、見た目の整合性を確保すると良いでしょう。
行の高さと列幅による行間調整
エクセルには文章作成ソフトのような行間設定の項目はありませんが、行の高さと列幅を調整することで、実質的に行間をコントロールできます。縦書きの場合、列幅を狭くし、行の高さを少し高めに設定すると、縦方向の文字がゆったりと並び、読みやすくなります。
具体的には、列幅を2〜3程度に設定し、行の高さを標準値から1.2〜1.5倍ほどにする調整がよく使われます。複数列の縦書きを左から右に並べる場合は、すべての列で列幅と行の高さを統一すると、全体のバランスが整い、視覚的なノイズを減らせます。
調整の際は、一部のセルだけを変更するのではなく、対象範囲全体を選択してから一括で変更するのがポイントです。途中で高さや幅が変わると、列ごとに文字の位置がずれて見え、かえって読みづらくなってしまいます。
中央揃え・均等割り付けで配置を整える
セル内の文字位置は、「配置」設定の横位置・縦位置で制御できます。縦書きの列を左から右に並べる場合、基本は「中央揃え」に統一すると、列ごとの見出しやデータが整列して見えます。特に、セル結合を行ったラベルでは、上下左右とも中央に配置することで、視認性が大きく向上します。
また、セルの書式設定の「配置」タブには「均等割り付け」というオプションもあり、セルの上下に余白を持たせた上で、文字を均等に配置することができます。長めの縦書きテキストを使う場合には、この設定を使うと、セルの上に詰まった印象が軽減されます。
複数の列や行で異なる配置を混在させると、読み手が情報の構造を把握しづらくなるため、同じ種類の情報には同じ配置設定を適用することを意識してください。配置の統一は、見た目だけでなく、データの意味構造の理解にも直結します。
テキストボックスや図形を使って自由度高く左から右の縦書きを作る
セルの縦書きだけではレイアウトに限界を感じる場合は、テキストボックスや図形を使う方法が有効です。これらを利用すると、シート上の任意の位置に縦書き文字を配置でき、複数の縦書きブロックを左から右に自由に並べることができます。
テキストボックスは、データとしての値というよりも、「見た目としての文字」を扱う際に適しています。ラベル、タイトル、注釈など、表の外側に配置したい情報を縦書きで表現する際に特に力を発揮します。ここでは、実務でよく使われる具体的な設定手順と、注意点を解説します。
セルと異なり、テキストボックスは位置の微調整がしやすく、重ね合わせも容易です。一方で、並べ替えやフィルターと連動しないため、データと見た目の役割分担を明確にしておくことが大切です。
テキストボックスに縦書きを設定する手順
テキストボックスを使った縦書きの基本手順は次の通りです。まず、「挿入」タブの「テキスト」グループから「テキストボックス」を選択し、シート上をドラッグしてボックスを描画します。次に、その中に文字列を入力します。
入力が終わったら、テキストボックスの枠を右クリックし、「図形の書式設定」または「テキストボックスの書式設定」を選択します。表示されるウィンドウで「テキストボックス」または類似の項目を開き、「テキストの方向」から「縦書き」を選択します。これで、ボックス内の文字が縦方向に並ぶようになります。
テキストボックス自体の位置と大きさは、ドラッグやハンドルの操作で自由に調整できます。複数の縦書きテキストボックスを左から右に並べれば、レイアウトの制約を受けずに、読みやすい配置を実現できます。
図形とテキストボックスの使い分け
エクセルでは、テキストボックス以外にも四角形などの図形に文字を入力することができます。図形を選択し、右クリックから「テキストの編集」を選ぶと、図形内部に直接文字を入力できます。その後、図形の書式設定でテキストの方向を縦書きに変更すれば、縦書きラベル付きの図形として利用できます。
図形を使うメリットは、背景色や枠線、角丸などのデザインを柔軟に変更できる点にあります。例えば、重要な縦書き見出しを目立たせたいときに、図形の背景色を変えて強調するといった使い方が可能です。一方で、テキストボックスは背景が透明であることが多く、既存の表の上に重ねて情報を補足したい場合に向いています。
用途に応じて、背景を付けたい場合は図形、シンプルなラベルとして使いたい場合はテキストボックス、といった使い分けをすると効率的です。
左から右に複数の縦書きラベルを並べるレイアウト例
テキストボックスや図形を活用すると、例えば次のようなレイアウトを簡単に実現できます。シート上部に3つの縦書きタイトルを左から右へ並べ、下部にそれぞれに対応する表を配置するといった構成です。
この場合、3つのテキストボックス(または図形)を横一列に並べ、それぞれに縦書き設定を行います。位置合わせは、複数の図形を選択した状態で、「図形の形式」タブの「配置」グループから「左右に整列」「上下中央揃え」などを使うと、きれいにそろえることができます。
このようなレイアウトでは、読み手は左から右にタイトルを追い、その直下の表を参照するという自然な動きになります。セルだけでは表現しづらい情報構造も、図形やテキストボックスを組み合わせることで、直感的で理解しやすい資料に仕上げることができます。
回転・方向オプションを利用した応用テクニック

縦書きといっても、エクセルでは文字列を90度回転させる方法や、方向オプションを使った疑似的な縦書きも利用できます。これらを組み合わせると、標準の縦書きでは実現しづらい細かなレイアウトを作ることが可能です。
例えば、横書きの文字列を90度回転させて縦に見せる方法は、英数字を含むラベルをスリムに表示したいときに便利です。標準の縦書き設定と異なり、行内で改行せずに文字を連続して表示できるため、品番や型番などの記号列にも向いています。
ここでは、「方向」ボタンから設定できる文字列の回転と、縦書きとの違いを理解しながら、用途に応じた使い分け方を解説します。
方向ボタンで文字列を90度回転させる
セル内の文字列を90度回転させるには、対象セルを選択し、「ホーム」タブの「配置」グループにある「方向」ボタンをクリックします。メニューから「反時計回りに90度」または「時計回りに90度」を選択すると、文字列全体がセル内で傾き、縦方向に表示されるようになります。
この方法は、実際には縦書きではなく、「横書きの文字列を縦向きに回転した状態」です。そのため、英数字や記号が多い場合でも、文字の向き自体が変わるだけで、文字の並び順は左から右のまま保持されます。結果として、縦に見えても読み方向は変わらないため、左から右の順序を崩したくないラベルに適しています。
ただし、全角の日本語文字と半角英数字が混在していると、フォントによっては見た目のバランスが崩れることがあります。適宜、フォント種類やサイズを調整し、印刷プレビューで確認しながら最適な設定を探してみてください。
縦書きと回転の違いと使い分け
標準の縦書きと90度回転の違いを理解しておくと、目的に応じた最適な手法を選びやすくなります。縦書きは、日本語の文を縦方向に自然に配置するのに適しており、句読点やカッコ類も縦書き用の配置に近い見た目になります。一方、回転は横書きの文字列をそのまま回しただけなので、英数字や記号列の順序を維持したいときに最適です。
例えば、製品コード「AB-12345」を縦に表示したい場合、縦書きにすると1文字ずつ上下に並びますが、回転を使うと文字列全体がそのまま縦向きになり、一目でコードとして認識しやすくなります。逆に、文章として読ませたい日本語の縦書きには、標準の縦書きを使う方が自然です。
左から右に複数の縦向きラベルを並べる場面では、この2種類を混在させることもあります。日本語ラベルには縦書き、コード類には回転、といった使い分けによって、情報の種類ごとに最も読みやすい表示形式を採用できます。
複雑なレイアウトでの注意点とチェックポイント
縦書きと回転を組み合わせた複雑なレイアウトでは、作成者が意図した読み方向と、閲覧者が直感的に感じる読み方向が一致しているかを必ず確認する必要があります。特に、シートを拡大縮小して印刷する場合、文字が潰れたり、間隔が詰まり過ぎて判読しづらくなることがあります。
また、縦向きのラベルが多くなると、どこからどこまでが1つの情報ブロックなのかが分かりにくくなりがちです。罫線のスタイルやセルの背景色、図形の枠線などを適度に活用し、視覚的なグルーピングを意識してください。
最終的には、実際に印刷する用紙サイズでプレビューを確認し、スマホやタブレットで閲覧することを想定した縮尺でも読みやすいかをチェックすることをおすすめします。可能であれば、第三者に見てもらい、どの順番で目が動くかを確かめると、より実用的なレイアウトに仕上がります。
環境依存のポイント(Windows・Mac・バージョン差)
縦書きや文字の方向に関する機能は、エクセルのバージョンやOSによって、メニューの場所や挙動が若干異なる場合があります。特に、古いバージョンを利用している場合は、最新のUIと表記が違うこともあり、操作手順の読み替えが必要になることがあります。
ここでは、Windows版とMac版の違い、古いバージョンでの注意点を整理しながら、環境に依存しない考え方を紹介します。業務で複数のPC環境を併用している場合や、他者とファイルをやり取りする場面でも、安定して縦書きレイアウトを再現するための参考にしてください。
環境差を意識しておくことで、「自分のPCではうまく表示されるのに、相手先では崩れて見える」といったトラブルを事前に防ぎやすくなります。
Windows版とMac版でのメニューの違い
Windows版とMac版のエクセルでは、リボンの配置やボタン名に若干の違いがありますが、縦書きに関する基本機能は共通しています。Windows版では「ホーム」タブの「配置」グループに「方向」ボタンがあり、ここから縦書きや回転を設定できます。Mac版でも同様に「ホーム」タブ内の配置関連のボタンから操作しますが、ボタンのアイコンやメニュー構成が少し異なることがあります。
もしメニューが見つからない場合は、「セルの書式設定」から「配置」タブを開き、「文字の方向」や「縦書き」の項目を探すと確実です。Windows・Macともに、このダイアログ構成は大きく変わっていないため、環境を問わず同じ感覚で操作できます。
また、テキストボックスや図形の縦書き設定も、右クリックからの「図形の書式設定」に集約されている点は共通しています。メニューの名称に多少の違いがあっても、「書式設定」→「テキスト」→「方向」という流れを押さえておけば迷いにくくなります。
バージョン差による機能制限への対処
古いバージョンのエクセルでは、一部のレイアウト機能やテキストオプションが現在のバージョンと比べて制限されていることがあります。例えば、縦書きの細かい制御や、新しいフォントとの相性などで、表示がわずかに異なる場合があります。
社内に異なるバージョンのエクセルが混在している場合は、最も古いバージョンでの表示を基準にレイアウトを決めるのが安全です。特に、セル結合や複雑な図形レイアウトは、互換性の影響を受けやすいため、必要最小限にとどめることをおすすめします。
どうしても高度なレイアウト機能が必要な場合は、最終印刷用のファイルはPDFに変換して配布するなど、表示環境による差を吸収する工夫も有効です。
フォント環境の違いが縦書きに与える影響
縦書き表示では、フォントの違いが横書き以上に目立つことがあります。特定のフォントがインストールされていない環境でファイルを開くと、代替フォントに置き換わり、文字幅や行間が変化してレイアウトが崩れることがあります。
業務で共有するファイルでは、できるだけ標準的なフォント(例:MS系フォント、游フォントなど)を選ぶと、環境による見た目の差を抑えられます。特殊な書体を使いたい場合は、縦書きの重要な部分だけをPDFや画像で共有するなど、表示を固定する方法も検討してください。
フォントによる見た目の差は、特に縦書きの左から右への並びで強調ラベルを多用している場合に顕著になります。一度別のPCでファイルを開き、意図したレイアウトが維持されているかを確認しておくと安心です。
よくあるトラブルと確認すべきチェックポイント
縦書きを左から右に配置する作業では、思わぬところでレイアウトが崩れたり、印刷時に意図しない表示になったりすることがあります。ここでは、実務でよく遭遇するトラブルと、その原因・対処法を整理します。
少しの設定ミスが全体の見た目に大きく影響することもあるため、一度チェックリストとして整理しておき、作業の最後に順番に確認することをおすすめします。特に、セル結合やテキストボックスの多用は、シート構造を複雑にしやすいため注意が必要です。
以下では、「文字が切れてしまう」「印刷時の位置がずれる」「並べ替えでラベルが崩れる」といった典型的なケースを取り上げます。
文字が途中で切れる・はみ出す場合
縦書き設定後に文字が途中で切れて見える場合、多くは列幅や行の高さが不足していることが原因です。セル内で折り返しが有効になっていると、意図しない位置で改行されてしまうこともあります。
まず、対象セルを選択し、「ホーム」タブの「折り返して全体を表示する」のオン・オフを切り替えて挙動を確認します。その上で、列幅を少し広げる、行の高さを調整するなどして、すべての文字が収まるようにします。必要に応じてフォントサイズを1ポイント単位で微調整するのも効果的です。
テキストボックスや図形の場合は、枠の大きさが文字量に対して小さいと、やはり文字が見切れます。枠のハンドルをドラッグして高さと幅を広げるか、「テキストボックスの書式設定」で「文字列に合わせて図形のサイズを調整」を有効にすると、文字量に応じて自動的に大きさが変化します。
印刷時に縦書きの位置や順番がずれる場合
画面上では問題なく見えているのに、印刷すると縦書きの位置がずれているように見えることがあります。これは、印刷時の拡大縮小設定や、改ページ位置の違いが影響している場合が多いです。
まずは「ページレイアウト」タブで、用紙サイズ・余白・印刷の向きを確認し、「拡大縮小印刷」が意図しない倍率になっていないかをチェックします。また、「改ページプレビュー」を利用して、縦書きのブロックがページ境界をまたいでいないかを確認することも重要です。
縦書きのブロックと関連する表を同じページ内に収めたい場合は、印刷範囲を明示的に設定する、または行・列の挿入や削除でレイアウトを調整すると良いでしょう。テキストボックスや図形の場合は、ページ境界付近に配置すると意図せず次ページ側にはみ出すことがあるため、改ページ線から少し内側に余裕を持って配置するのが安全です。
並べ替え・フィルターで縦書きレイアウトが崩れる場合
縦書きの列を左から右に整然と並べても、後から並べ替えやフィルターを実行したときに、見出しとデータの位置関係が崩れてしまうことがあります。特に、セル結合を多用していると、この問題が顕在化しやすくなります。
データの並べ替えやフィルターを頻繁に行うシートでは、見出し用の縦書きセルと、データ用のセルを物理的に分けておくと、影響を最小限に抑えられます。例えば、1行目に横書きの見出しを配置し、2行目以降をデータ領域として扱い、その左側や上部に縦書きのラベルを別途用意するといった構成です。
また、テキストボックスや図形は並べ替えやフィルターの対象外であるため、データと見た目を完全に分離したい場合には有効な手段です。重要なのは、データ構造を安定させた上で、その周辺に縦書きの見た目を重ねていくという発想です。
まとめ
エクセルで「縦書きを左から右に」読みやすく表示するには、単に縦書き設定を使うだけでなく、セルの配置・フォント・行間・テキストボックスなど、複数の要素を組み合わせて調整する必要があります。標準の縦書き機能、文字列の回転、テキストボックスや図形など、それぞれの特徴を理解して使い分けることで、多彩なレイアウトを実現できます。
まずは、セルの縦書き設定と列の配置でシンプルなパターンから試し、その上で必要に応じてテキストボックスや図形を追加していくのがおすすめです。印刷プレビューや別環境での表示も確認しながら、読み手が直感的に左から右へ目を動かせるかを意識すると、実務で扱いやすい資料に仕上がります。
記事内で紹介したテクニックを組み合わせれば、住所ラベルや帳票、報告書など、さまざまな場面で「見やすく整った縦書き」を作成できます。自分の用途に近い方法から取り入れて、エクセルの縦書き表現の幅を広げてみてください。
コメント